星に願いを~たくさんの幸せをありがとう~



~拓真 side~


さっきから何も話してない。

ずっと無言なのも気まずいし…


拓真『…あのさ!』


どんな話でもいいから話したくて隣をみると

…いない。

え?

さっきまで隣にいたのに…

慌てて後ろをみると

…いた。

かなり後ろに。


よかった〜…。

何かあったらどうしようかと…

てか…

あんなとこでなにして…

早足で近づいてみると

え…泣いてる?

なんで…

もしかして…体調悪い!?

近づく足が早足から小走りになり
美姫の元へ着く頃には走っていた。


何かあったのか

どうしたのか聞いても首を横に振るだけ。

見られたくないのか顔も俯いたまま。


美姫『大丈夫!』


やっと顔をあげたかと思ったら


美姫『…うぅ……っ。』


無理して笑ったんだと思う顔はあっという間に泣き顔になり
その目からは涙が溢れていた。


…ったく

これで
「大丈夫!」
なんて説得力なさすぎ。


美姫。

辛い時は泣けばいい。

泣きたい時は泣けばいい。

我慢なんてするなよ。

俺と美姫の仲なんだからさ…

いつも言ってるだろ?


そう思いながら必死に涙を堪えてる美姫の頭を撫でた。

すると俺の気持ちが通じたのか

美姫は俺に抱きつき泣いてしまった。


俺、最低かな…

美姫が苦しんで泣いてる。

こんな時なのに抱きつかれて嬉しいと思ってしまった。

ほんとバカだ。

美姫…ごめん。

でも

ありがとう。

みんなの前では我慢してた事を
我慢しないでくれて。

素直になってくれてありがとう。
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