星に願いを~たくさんの幸せをありがとう~
~拓真 side~
ピンポーン。
いつものようにインターホンを鳴らして待っていると
パタパタと走る音が聞こえ
バンッ!!
と勢いよくドアが開いた。
拓真『…!おはよ。
そんな勢いよく開けて…どうした?』
美姫『お、おはよ!
べ、別になにもないよ?
拓真を待ってたの!』
いつもなら…
「拓真ー!ちょっと待って!」
と言ってなかなか出てこなかったり
「おはよ~。」
と眠たそうに目をこすりながら出てくる…
そんな美姫が
この時間からあんなに元気で…
あんなに勢いよくドアを開けるなんて…
何かあったのか?
と思った。
でも…
それは違った。
美姫が朝からあんなに元気だったのは
インターホンを押したのが紺野だと思ったからだろ?
だからあんなに元気で
あんなに勢いよくドアを開けたんだよな。
顔をみればわかるよ。
一瞬…
ドアを開けたほんの一瞬だけ美姫はがっかりした顔をした…。
紺野だと思ってすごくうれしそうな
キラキラした笑顔でドアを開け
俺の顔をみたほんの一瞬
美姫はがっかりした顔をしたんだ。
それでもうれしかった。
「待ってた」
なんて嘘なのはわかってる。
美姫が待ってたのは俺じゃないことくらいちゃんとわかってる。
それでも
うれしかった。
あんな気持ちのこもっていない
「待ってた」
の一言だけですごく…
すごくうれしくて自然と笑顔に…
ニヤけてしまう。
俺ってほんと単純だな。