星に願いを~たくさんの幸せをありがとう~
~拓真 side ~
拓真『……ん…。』
俺いつの間に寝たんだろ。
みんな寝てる。
……あれ?
美姫がいない。
拓真『美姫?』
返事はない。
ガタッ
向こうで物音がした。
音のした方は…
「風呂」
時計を見る。
今は夜中の3時半。
こんな時間に風呂?
ガタ…ガタッ…
また物音。
こんな音するか?
ちょっと気になって行ってみることに…
別に覗くとかやましいことは考えていないぞ?
ほんとに。
…まぁ俺だって健全な男子高校生ですから
すこーしは考えたけども…
そんなことを考え軽い気持ちで風呂場へ
行った。
風呂場の前まで行き
拓真『美姫?』
美姫『…………』
返事はない。
あれ?
いないのか?
いや、いるよな?
もう1度
拓真『美姫?いないの?』
と今度は耳をすましてみる。
すると
美姫『…はぁ…はぁ……はぁ』
え!?
拓真『ちょっと美姫!?
おい!大丈夫か!?』
美姫『はぁっ………はぁ』
これやばいだろ!
拓真『入るぞ!』
戸惑いもあったけど…
今はそんなこと考えてる暇ねぇし!
ガラガラガラ!
ドアを開けると
浴槽から出てマットの上でしゃがんでいる
美姫。
美姫にバスタオルをかけ
拓真『美姫大丈夫?
…じゃねぇよな。
気づかなくてごめんな?
……救急車呼ぶ?
親父呼ぶ?』
抱きしめ背中をさすりながら聞く。
息が荒いな。
苦しそう…。
俺がおろおろしてると
美姫『…はぁ…だ……いじょぶだから…はぁ
少ししたら治ると…はぁっ・…思うから…
このままいさせて………はぁ…はぁ…』
苦しそうに言う美姫。
拓真『わかったからもう話すなよ。な?
ほら深呼吸して?
息吸って…はいて…』
しばらくすると
美姫『もう大丈夫。
ごめんね。ありがと。』
まだ調子悪そうだけど…
さっきよりは大丈夫そうだな。
拓真『そっか。、よかった。
あんま無理するなよ?
俺にできることはするから言ってな?』
美姫『ん…ありがと。』
さて。
とりあえず今は美姫を横にさせないとだよな…
とか考えてたら
美姫『…拓真…
ちょっと向こうで待っててくれる?』
は?また倒れたらどうすんだよ。
今のお前目離せないし。
拓真『…なんで?
また倒れちゃったらどーすんの?』
そう言うと美姫は顔を赤くして
美姫『……なんでって…
だって……着替えないと…』
ん?今なんて言った?
声が小さくて聞こえなかった。
拓真『ん?なに?』
美姫『だーかーら!
今のわたし裸だから着替えないと!
って言ったの!』
顔を真っ赤にして言う美姫。
拓真『……………………はっ!』
そうだった!
今の美姫は…
何も着てない。
今になって気づいた。
拓真『わ、わりぃ!
気づかなくて。
じゃあ俺向こうにいるから
なんかあったら呼んで?』
美姫『……うん。』
そういい早足で風呂場を出た。
そーじゃん!
さっきそれどころじゃなくて
すっかり忘れてた。
バスタオルはかけてたけど…
タオル1枚ごしに美姫抱きしめてたんだ俺…。
今になって恥ずかしくなってきた。
美姫『……おまたせ。』
おぉ!パジャマ姿♡
やっぱお泊りいいな。
とか考えてる俺。
…変態なおっさんみてぇ。
拓真『おぉ。もう大丈夫か?』
美姫『うん。寝れば治ると思うから…』
拓真『そっか…じゃあ寝るか。』
美姫『そだね。』
美姫『…拓真寝た?』
美姫が話しかけてきた。
嬉しいけど…
拓真『……寝た。』
美姫『ふふっ起きてるじゃん。』
拓真『ははっ。…でなに?どうした?』
美姫『…さっきのみんなには言わないでね?』
さっきの?
あぁ…あれね。
拓真『いいけど…なんで?』
美姫『なんでって…
みんなに余計な心配かけたくないから。』
拓真『美姫ってさ自分はみんなのこと
すっげぇ心配すんのに自分をのことは
心配されたくないんだ。』
美姫『…わたしが心配するのはいいの!』
お前っていつもそうだよな。
拓真『決めた!』
美姫『ん?なにを?』
拓真『俺…医者になるよ。
そんで美姫の病気治す!』
美姫『!?ほんと?』
拓真『ほんと!
美姫の病気治したいから。』
美姫『わたしの病気治んないよ?』
確かに今はそうだな。
でも…
拓真『今はな。
でも未来はわかんねぇだろ?
俺が治してやるよ。』
美姫『………』
美姫の返事がない。
寝ちゃった?
美姫『…ありがとっ…!』
泣いてる?
でも今はそっとしとくか。
美姫『じゃあおやすみっ!』
泣いてるのをバレないようにか
布団にもぐってしまった。
拓真『おやすみ。』
俺の将来の夢
「医者になって美姫の病気を治す」
簡単じゃないのはわかってる。
でも叶えたいんだ。
夢を叶えるためにも頑張る。
窓から見える星を眺め
そう決意した。