星に願いを~たくさんの幸せをありがとう~



~蒼 side ~


黒木が来ると美姫は帰ってしまった。


また怒らせちゃったかな?


はぁ〜…

思わずため息が…

もっと美姫といたかったな…


黒木『桜空ちゃんともっといたかった?』

コイツ…

俺の心の中わかるのかよ。

蒼『……別に。』

黒木『先生わかりやすいからすぐわかるよ。
……桜空ちゃんがいなくなった途端
元気ないもん。』

…俺そんなに顔にでてたか…?

黒木『ねぇ先生。
麻子にも日焼け止め塗って?』

蒼『黒木は別にいいだろ。』

黒木『先生?
「黒木」じゃなくて「麻子」
って呼んでって言ったよね?』

…そうだった。

さっき美姫の前で黒木のこと

「麻子」って呼んじゃったけど…

勘違いされてないかな…

黒木『さっき桜空ちゃんには
やってたじゃないですか。』

そう来たか。

蒼『美…桜空は日焼け止め塗らないと
肌が赤くなっちゃうから。』

それでも食い下がらない黒木。

しょうがないな…

蒼『黒…麻子そこに寝な。』

気は進まないけど…

黒木『はぁ〜い!』

ベッドにうつ伏せになった黒木に

日焼け止めを塗っていると…

黒木『先生?』

蒼『なに?』

黒木『桜空ちゃんと付き合って
ないんですよね?』

蒼『………あぁ。』

黒木『ですよね〜。
だって桜空ちゃん彼氏いるみたいだし。』


…………………………ん?

今なんて言った?

蒼『……付き合ってる?誰と?』

黒木『麻子のクラスの「山瀬俊」と
付き合ってるみたいですよ。』

はぁ?

そんなわけないだろ。

だって美姫は俺と…

黒木『最近よく一緒にいますし…
この間も手繋いで帰ってましたよ。』

嘘だろ!?

美姫がそんなことするわけ…

黒木『まっ…先生には関係ないですね。
……ところで
この間の返事聞かせてもらってもいいですか?』

この間の返事?


黒木『先生のこと好きだって言ったじゃない
ですか。』

……そういえばそんなことあったな

断ろうとすると

黒木がベッドから起き上がり


チュッ


!?

蒼『黒木…お前何してんだよ!』

急いで黒木から離れる。

黒木『「麻子 」って呼んでって言ってるのに〜』

ブツブツ文句を言いながら頬を膨らましている。

…いやそんな問題じゃないだろ。

蒼『俺好きな人いるから。
黒木とは付き合えない。』

よし。言えた。

黒木『その好きな人がいなくなれば
麻子と付き合ってくれます?』

……は?

何言ってるんだ?

蒼『お前今何言っ…』

黒木『じゃあ麻子はそろそろいきますね!
私…まだ諦めてないので。』

俺が話してる途中で出ていってしまった。

黒木の言った言葉…

なんか引っかかるな…

たぶん黒木は俺と美姫が

付き合ってるのを知ってる。

美姫に何かしなければいいけど…

それに…

さっき黒木が言ってた

美姫と山瀬が付き合ってること…

気になる…


あぁーもう!

仕事が手につかねぇじゃねぇか…

あとで美姫に聞いてみるか。

< 66 / 142 >

この作品をシェア

pagetop