星に願いを~たくさんの幸せをありがとう~



~美姫 side ~


旅館の部屋はグループで一部屋。

男子も女子も同じ部屋。

まぁ男子は拓真と柊だから

別にいいんだけどね。、

一緒の部屋って言っても寝るときは

ふすま越しで隣の部屋になるんだけど…

でも近くに拓真がいると安心する。

なにかあったらすぐに呼べるから。

部屋に行きみんなでくつろいでいると

詩織『ねぇねぇ!
まだお風呂まで時間あるしさぁ〜
なんかやろーよ!』

確かにまだ時間はあるけど…

なんか嫌な予感するんだよなぁ…

詩織『ゲームやろ!
罰ゲームありで♪』

………ほらね

詩織の言う罰ゲームって

全然可愛げの無い

ほんとの罰ゲームなんだよなぁ…

人前で恥ずかしいことやらせたり

するから嫌なんだよなぁ…


どうにかして逃げれないかなぁ〜

と考えていると

♬♪。.:*・゜♬

ケータイが鳴った。

………メール?

開いてみると

………蒼だ。

さっき会ったばっかなのに…

どうしたのかな?

メールの内容は…

『俺の部屋に来て。』

今?

……でもこれを口実にすればゲーム

しなくて済む。

よし。行こう。

美姫『ごめん。用事あるからちょっと出るね。』

夏妃『もう少しでお風呂だよ?』

美姫『大丈夫。すぐ戻るから。』

部屋を出て急いで蒼の部屋に行った。


……ついた。

ここ…だよね?

とりあえずノックしてみよ。

コンコン

しばらくするとドアが開き

それと同時に体がドアの向こうへ

引き寄せられた。

…!?

わたしはそのまま蒼に腕を掴まれ

部屋の中のイスに座らされた。

蒼…

さっきから黙ってる。

それに…

顔…怖い。

怒ってる?

わたしなんかした?

…ていうか

わたしだって怒ってるんですけど。

黒木さんのこと。

蒼『……なぁ。』

蒼がやっと口を開いた。

蒼『山瀬と付き合ってるって本当なの?』

え…なんでそのこと……

蒼『その反応…本当なんだ。
…俺たちって付き合ってんじゃないの?』

確かに今は山瀬くんと付き合ってる。

でもこれには理由が…

美姫『これには訳があるの。』

わたしは山瀬くんなんて好きじゃない。

わたしが好きなのは蒼

あなただけだよ。

蒼『訳がって…
付き合ってるのは認めるんだ。』

何も言い返せない。

蒼『美姫には俺がいるじゃん。
他の男のとこに行くなよ。』

だからこれには理由があるんだってば。

美姫『……蒼だって…
黒木さんと仲良さそうにしてたじゃん。』

思わず口に出してしまった。

蒼『…生徒として話してるだけだ。』

生徒として?

だってあの時

美姫『名前で…
「麻子」って呼んでたじゃん。』

蒼が名前で呼んでたのはわたしだけだったのに


蒼『……それは…』

なんで急に困った顔するの?

なんかもう頭の中ぐしゃぐしゃだよ…

早くここからいなくなりたい…


♬♪。.:*・゜♬

電話?

美姫『もしもし?』

夏妃『美姫?そろそろお風呂行くよ?』

もうそんな時間か…

美姫『…わかった。行くね。』

電話をきり

美姫『もういいよ。
わたし行くから。』


蒼のこと好きだけど

今の蒼とは話してても

イライラするだけ。

こんなときは何を話してても無駄。

だからもう行こ。

蒼はなにも答えなかったけど

わたしは蒼の部屋を出ていった。

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