多重人格者【完結】
守る
家に到着すると、私は自分の部屋に籠る。
ベッドに寝転んで、思う存分泣いた。
気丈に振る舞おう、そう思ってた。
私には無理なのかな。
カンナ達と向き合うのは無理なのかな。
暫く声を上げて泣いていた私は、泣き疲れてしまい、いつの間にか眠ってしまっていた。
目を覚ましたのは。
―――――違和感。
ゴソ、と、自分の体を触られる感覚。
体がびくっとなる。
震える体。
ゆっくりと目を開けると、そこにはお義父さんがいた。
「…可愛い、あやめ」
ニッコリと微笑むお義父さん。
「…いや」
「どうして?」
そう言いながら、どんどんと手は進む。
私の体を這いずって行く。