多重人格者【完結】
だけども、心君は薄らとその顔に笑みを乗せただけで何も言わない。
頷く事も、首を振る事もしない。
断定するのを拒否するかの様に。
「行こうか、あやめ」
「……うん」
聞くのは怖かった。
だから、私も何も言わないでいた。
私達は、色々選択して行く。
そして、その選択を間違えて行く。
それに気付くのは、全てが終わってから。
気付く事なんて出来ない。
頷く事も、首を振る事もしない。
断定するのを拒否するかの様に。
「行こうか、あやめ」
「……うん」
聞くのは怖かった。
だから、私も何も言わないでいた。
私達は、色々選択して行く。
そして、その選択を間違えて行く。
それに気付くのは、全てが終わってから。
気付く事なんて出来ない。