多重人格者【完結】
まあ、どっちにしろ。
クズ、だよな?
アタシは胸倉を掴むその女の首をガッと掴んで、徐々に力を込める。
「何してっ!!」
「や、やめて!!」
手にどくんどくんと脈を感じた。
あーこんなあんたにも血はちゃーんと流れてるよ?
それが愉快で、アタシは目を細める。
アタシの顔を見て、女の顔は恐怖で歪んで行く。
胸倉を掴んでいた手はいつの間にか離れていて、アタシの手をどうにか放そうと手首を掴むが放してやらない。
後ろにいる女達は、どうしたらいいのかわからずパニクっている。
……助けないと。
―――――――――…死んじゃうかもね?