多重人格者【完結】
その瞳から窺えるのは、狂気だ。
それも、あやめに対するどうしようもない狂気。


殺樹はパッと俺の手を放すと、微笑んでからこの場を立ち去った。




その後ろ姿を痛みを堪えて見つめる。



それで、俺は確信した。




―――――――――――カンナの狙いは父親を殺すって事を。



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