多重人格者【完結】
これは一石二鳥なんだよ。
憎い義父を殺せるし、憎いあやめに制裁も加えられる。
ただ、わかっていない。
例え、殺人が成功しようとも俺は訴えてやる。
あやめは多重人格者だと。
精神疾患だと罪に問われないから。
強制で入院させられて、治るまであやめは戻って来れないかもしれない。
それでも、俺は待てる自信があった。
いくらでも待ってやろうと思った。
あやめさえよければ、別に他の人格がいようと関係なかった。
カンナの事だ。
精神疾患についても知ってたかもしれない。
だから、この計画は誰にも漏れてはいけなかった。
特に、多重人格者とわかってる俺には。
今まで実行出来なかったのは、自由に外に出られなかったのかもしれない。
…だけど、俺の所為、いや、お陰なのだろうか。
自由に出られる様になったから、実行する事を決めたんだ。
あやめを破滅に追い込む為に。
……よかった。
俺はあやめを守れそうだよ。
出来れば殺人もさせない様に動くけど。
俺が死なない限り、俺は必ずカンナの邪魔をしてやる。