多重人格者【完結】
「俺ね?あやめの事、大好きなの。内緒だよ?」
「……っ」
再度、俺がそう言うと葉月ちゃんは息を呑んだ。
それから、何度も何度も首を縦に振る。
「あ。そうだ。今日、あやめを家に誘いたくてさ。
泊まりなよーって言ってるんだけど…って、誤解しないでね?親いるから」
「ああ、うん」
「付き合ってもないのにおかしいかな?」
「いや、全然いいと思う」
「そう?じゃあ、葉月ちゃんアリバイ工作に協力してくれる?」
「もちろん!!」
目をきらきらとさせる葉月ちゃん。
純粋にあやめを応援したいのと、俺の言葉を信じてるのと。
とにかく、単純でよかったと思った。
俺なら絶対に協力なんてしないけど。
「告白するの?」
葉月ちゃんは嬉しそうにそう尋ねて来る。
「いや、もう伝えてる」
「え」
「昨日、告白した」
「う、そ」
言葉を失ってる姿に、俺は軽く声を上げて笑った。