多重人格者【完結】
「あはは、なーんも返事してくれなかったけどね？
だから、俺の片思い」

「いや、それはない！と思う！」

「そうなの？」

「うん。そっか。嬉しいな」


目を細めて、嬉しそうに笑う葉月ちゃん。
……ああ、本当にあやめを想ってるんだろうなって感じた。


葉月ちゃんがいつの事を言ってるのかわからないけど、あやめは俺の事好きではないと思う。


いや、あやめは俺の事だけは好きになったらいけないと思う。



……もしも、望んでもいいなら。


あやめが俺を受け入れてくれると言うなら。


それならば、付き合いたいって思うよ。



でも、それは全て終わってからだ。
答えを求めるのも。


あやめだって、今の状態では何も答えられないと思うし。



「なんか、ふらふらしてるけど平気？」


並んで歩く俺がもたついてるのを気にする葉月ちゃんに、笑顔で首を振る。
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