多重人格者【完結】
決行
翌日、目を覚ました私はゆっくりと起き上がり背伸びをする。
昨日は数時間勉強をして、21時には就寝した。
腕を伸ばして机に置いてる携帯を取り、時間を見る。
現在の時刻は午前9時半頃。
心君、まだ来ないだろうな。
ご飯でも食べに行きたいけど、お母さんに会うのは少しだけ覚悟がいる。
拒絶されるってのは、どんなに私が悪くても胸が痛い。
お母さんが笑いかけてくれる事なんてなくて、暗くて冷たい顔でこっちを見るだけだから。
そんな姿を見たくなくて、昨日は夕飯食べなかったし。
だから、お腹は空いてる。
暫く考えてから、やっと決心してリビングに向かったが、母親はそこにいなかった。
絶対いると思ってたから、少し拍子抜け。
テーブルには簡単な食事。
それから、菓子パンやペットボトルの飲料。
……部屋から、出て来なくてもいいように?
それとも、顔を合わせなくてもいいように?
ここまで来ると、涙よりも笑いが込み上げて来る。
もう、なんか、おかしくて。
そんなに嫌になってしまったんだって思った。