多重人格者【完結】
【あっやめ~♪放課後、草野君と一緒にいるの見たぞー!】
葉月…。
メールを確認した私は心の中で思う。
…もう、“草野君”と話す事はないの。
本当に好きだったの。
だけど、もう、草野君とは離れないといけない。
少し前まで、普通の毎日だったのに。
全てが壊れた。
目の前にいるお義父さんの所為で。
助手席に乗っているお母さんと仲良く話すお義父さんを私は見つめる。
私は本当にお義父さんにあんな事をされていたのだろうか。
所々、記憶の欠片として断片的に思い出されるけど…
はっきりとは思い出せない。
でも、されていないと…カンナ達がいる理由がわからない。