多重人格者【完結】
VS
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ファミレスに到着した私達は、店員に案内されて窓側の席に座った。
お母さんと、お義父さんが座って、目の前に私。

「何食べる?あやめ」

そう言いながら、メニューをくれるお義父さん。


「うん…何にしよっかな」


受け取ってから、大袈裟にそう言ってみせた。
メニューに集中して、なるべくお義父さんの顔を見ない様にした。


まだ、あの事実を受け入れられていない。
どう接したらいいのかがわからない。

今までどう接してたっけ?
私、笑ってた?


頭で理解はしてる、だけど、全身が拒否してるんだ。

少しずつ、慣れよう。
少しずつ。


きっと、すぐになんて無理だから。
一歩ずつ、お義父さんと笑える様にしよう。


そう、心に決めた私はぎゅっと両手を握る。
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