多重人格者【完結】
「私、決めたっ!このハンバーグステーキ!それとライス!
後デザートもいいでしょ?」
「ふふ、あやめ、ちゃんと食べてからね」
「もっちろん」
「あやめ、そんなんじゃ太るぞ」
「誘惑には勝てないんだもんっ」
「あはは」
周りからは仲良し家族にしか見えないだろう。
これでいいんだ。これで。
取って付けたような笑顔。
当たり障りのない会話。
それで、私は食事の時間を過ごした。
家に着いて、お風呂に入ってから自分の部屋に入った私はベッドにすぐに横になった。
疲れた。
まだ寝るには早かったけど、既に瞼が閉じそうだ。
お義父さんといる時は、ずっと神経張り巡らせてるからか、その糸が切れた今。
どっと疲れが押し寄せて、寝てしまいそうだった。
……そういえば、葉月にメール返してない。
でも、限界。
明日話せばいいか。
そう思った私は、素直に夢の世界へと誘われた。