見た目イケメン、中身キモメン
二章
ーー
「どうしましょう!」
とりあえず、彼の車に乗って、自分の部屋まで戻ってきたけど、頭にあるのはそればかり。
当選した宝くじを机の上に置き、倉石さんと机挟んで会議する。
勝手知ったる人の家で、落ち着かない私に代わり、台所にてコーヒーを入れてくれた彼だけど、それを飲んでも心臓はバクバクだった。
ま、まさか、三億円が当たるなんて。
夢じゃないかと、月並みに頬を引っ張る。
「……」
倉石さんがやめなさいと、私の手を取ってくれた。
「え、えっと、た、宝くじ当たった時には、ど、どこで換金するでしょうか!」
「……」
んー、と悩む倉石さんも分からないようだった。とりあえず、ネットで調べてみよう。
スマフォを取り出し、ふと、思う。
「き、記念に」
パシャリ。倉石さんも、パシャリしていた。
机の上に現物はあるのだけど、スマフォに保存した物を眺める。
三億円。まさか、この歳で億万長者になるなんて。
「とりあえず、温泉旅行ですよねっ」
「……」
そうだね、と返す笑みだった。
温泉旅行の次はなんだろう。
男の人が喜ぶことを知りたいけど。
分かんない時は聞くに限る。
大学の友人に、一斉に聞きたいからツイッターで呟いてみようかな。あ、みんなとパーティーしたいからお誘いも!