(仮題)アイネクライネ
その時、優しい手がわたしの頭を撫でる。そして、その優しい手がゆっくりわたしを抱き寄せてくる。
「瑞希…、おめでとう」
咲良さんの優しい声。
そして、とても温かい。
「まだ1枚よ。これからも、たくさん描いて、瑞希の"夢"を叶えよう」
「うん」
絵が、売れた。
うれしい。
うれしくて、うれしくて、うれしくて、涙が止まらない。
はやく、兄さんに知らせたい。
ーーーわたし、夢を叶えるよ。