友情の行方



とその時、開け放っていた窓から赤トンボが入って来て、しばらく部屋の中を飛び回っていたかと思ったら昴の肩に止まった。



無性に捕まえたくなりソーッと近寄り、トンボの目の前で人差し指をグルグル回しながら羽を掴んだ!!



…と、思ったら逃げられてしまった。




「あー、もう!!」




思わず上げてしまった声で昴が起きて顔を上げた。予想以上に距離が近くて不覚にも少しドキッとしてしまった。




「…ん。唯(ゆい)どした?」

「ごめん。起こしちゃったね」

「…もしかして、俺を襲う気だった?」

「は?違う、違う。トンボがね…」




説明しようとした手を突然掴まれた。



な、なに……?


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