友情の行方



唇を離すと私を優しく抱き締める昴。
その温もりや匂いに私の心拍数が上昇した。




「俺は唯が好きだよ。お前は?」




ギュッと強くなる腕に昴の本気が伝わってくる。だけど怖い。友情を越えて愛情に変化してしまったら、今までの絆が簡単に壊れてしまいそうで。



「……」

「俺はお前と友達じゃ満足できない。恋人同士になりたいと思ってる」

「でも…」

「もしかして怖いのか?」

「……」

「だからこそ大切にしてやる。友情から愛情に変わったとしても俺達は大丈夫だってことを証明してやるよ」

「……うん」



また塞がれた唇。今度はゆっくりと深いキスが落ちてきて、昴の想いに答えるように私はキスを受け入れた。



男女間の友情は成立しなかったけど、この恋は大事に温めていきたい。きっと私達なら大丈夫なはずだから。






END


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