めんどくさがりの南くん
普通に考えれば、かよわき乙女(……でもないか、そろそろ)のあたしが重い荷物に辟易していることが分かったら、「いいですよ」と答えるのが当然だろう。
実際、今までも似たようなシチュエーションはいくらでもあって、そのたびに男子学生が手伝ってくれていた。
………でも。
「え、いやです」
南くんはさらりと拒否しやがったのだ。
あたしは耳を疑い、不覚にも一瞬、動きを止めてしまった。
それから気を取り直して口を開いた。
「ちょっと上まで運ぶだけなんだけど」
「え、いやです」
南くんはやっぱりさらりと拒否した。
「な、なんで?」
「めんどくさいから」
その瞬間、あたしは確信したのだ。
この男は、とんでもないめんどくさがり屋で、さらに、人でなしだと。
実際、今までも似たようなシチュエーションはいくらでもあって、そのたびに男子学生が手伝ってくれていた。
………でも。
「え、いやです」
南くんはさらりと拒否しやがったのだ。
あたしは耳を疑い、不覚にも一瞬、動きを止めてしまった。
それから気を取り直して口を開いた。
「ちょっと上まで運ぶだけなんだけど」
「え、いやです」
南くんはやっぱりさらりと拒否した。
「な、なんで?」
「めんどくさいから」
その瞬間、あたしは確信したのだ。
この男は、とんでもないめんどくさがり屋で、さらに、人でなしだと。