めんどくさがりの南くん
やばい、忙しすぎる………。


今週中にやるべき仕事を一つずつ数えあげているうちに、泣きそうになってきた。



その上、他大学からやってくる院生の面倒まで見ろって?


ああ、やってられない。



でも………悲しいかな。

三人きょうだいの長女で、思いっきり世話焼き気質に育ってしまったあたし。


面倒くさい、やってられない、とは思いつつも、結局はほうっておけないのだ。



そんなことを考えながら、黙々と作業しているとき。




「………ん?」




背中に、視線を感じた。


でも、誰かが声をかけてくる様子もない。



気のせいか、と思い直し、もう一度仕事に戻ろうとしたものの、やっぱり、背中を突き刺すような気配がする。



ぱっと振り向くと。




「わぁっ!」




叫びが喉をついて出た。





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