可愛い年下男子
「俺、佐藤さんの事が好きだよ」


私を抱きしめたまま、野崎は耳元でそう囁く。

耳元で囁かれた私の顔はカァっと赤くなる。


「冗談はやめて」

「冗談なんかじゃないよ。俺は本気で佐藤さんの事が……」


野崎がそう言うと同時に


「おーい、帰るぞー」


遠くから同僚の声が聞こえた。


「残念」


野崎は抱きしめていた腕の力を緩め、私を離す。


「佐藤さん、帰りましょうか」


そして、何事も無かったかのように歩き出す。


だけど、私はというと……

弟みたいに思っていた可愛い後輩の変わりように、ドキドキがおさまらなかった。





席に戻った私に坂井は声を掛ける。


「お前、顔赤いぞ」

「大丈夫。ちょっと飲み過ぎただけ」


さすがに坂井にも本当の事が言えない私は、やっぱり“お酒のせい”という事にしておいたのだった。



【End】



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