「私は貴方のモノ」【完結】
prologue
俺が彼女を初めて見たのは。
普段は行かないライブ会場だった。
どうしても見たいバンドがいるからって女に連れられて。
VIPルームで見ていた。
目当てのバンドにキャーキャーしてる女達。
それを横目で見つめる。
はあ。
うっせえ。
こいつらが寄って来てるのだって、俺の容姿や財産があるからで。
俺個人でなんか見ていない。
だから、俺もそうやって相手をする。
それがお互い気楽だった。
そんなんだから、ライブも至って興味がなく、女達も目当てのバンドが終えたからか自由に移動していた。
お酒を飲みながら、そろそろ帰ろうか。
そう、思ってた時だった。
一人の女の声が耳に止まる。
その声はとっても澄んでいて、思わず俺はそいつが見える場所まで移動していた。
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