「私は貴方のモノ」【完結】
realize
目が覚めた時、隣にタエの姿はなかった。
まあ、あれだけ寝てたら起きてるか。
一度欠伸をすると、寝室の扉を開けた。
テーブルに向かって熱心に何かを書いている。
きっと、大学のレポートかなんか。
やっぱり何も食ってない。
タエの周りにあるのは参考書と水だけ。
俺に気付くと、くるっと振り返った。
「……飯は?」
「……」
「冷蔵庫に色々飯あったろ。食っとけよ」
そう言うと、タエの視線はキッチンに向かう。
「それとも俺と一緒じゃなきゃ食べたくないとか?」
タエの横顔にそう言ってやると、タエは必死な様子で否定して来た。
顔を赤くしながらそんな否定しなくていいのに。