「私は貴方のモノ」【完結】


「何食べたい?タエ」

「……何でもいい」

「言ったな?」


それじゃあ、一番ボリュームある弁当にしてやる。
冷蔵庫にしまったお弁当を取り出すと、俺はレンジに入れた。


それから、顔を洗う為に洗面所へと向かう。
顔を洗ってる最中、背後でぴーっていう音がしたけど無視した。


タオルで拭きながら、リビングに戻るとタエが弁当を持ったまま立ち尽くしていた。



「…弁当持ったままどうした。
全部食べていいぞ」

「食べ切れません。こんなに」


その視線は大量の食料に向けられている。
別に全部食えると思って買って来たわけじゃないからな。



「だろうな。余ったら俺食うからいいよ」

「これ、全部?」

「そう」

「…ケーキとかも?」

「ああ、それは専門外。だからタエ食べて」

< 102 / 219 >

この作品をシェア

pagetop