「私は貴方のモノ」【完結】


女って甘い物が好きだから適当に買って来ただけだし。
タエの横からお弁当とサンドウィッチを手にして、先に戻ってソファに座った。


後から俺の隣に座ったタエは、じっとお弁当を見つめる。
それから、やっと箸を手に取って食べ始めた。


だけど、半分もしたとこでその手を止める。
満腹になったのだろう。


残ったお弁当に丁寧に蓋をすると、タエは手を合わせた。
そのタエに後ろから声をかける。



「…オレンジシャーベット冷凍庫にある」

「え」



キョトンとした顔で俺を見つめた。
何でそんな不思議そうな顔をするんだ?



食べてただろ、オレンジシャーベット。



「食べないのか?」

「……食べる」



タエは少しだけ嬉しそうな顔をすると、立ち上がり急ぎ足で冷蔵庫に向かった。
戻って来ると、オレンジシャーベットの蓋を開けて一口分スプーンで掬う。


口に含むと、自然と頬を緩ませていた。



……余程、オレンジシャーベット好きなんだな。タエは。
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