「私は貴方のモノ」【完結】

「俺が行っても、タエは寂しくないわけ?」

「………」



少しだけ動きを止めたタエは何も答える事なく、シャーベットを掬うとまた口に運ぶ。
……無反応ってわけ?


別に俺がいなくなっても平気って事か。
いや、俺がいなければ無理矢理抱かれる事もないし。

そっちの方が幸せなのかもな。


他に好きな男もいるようだし。


こっちを見ない様にしてるタエ。

そんなタエを見ながら。
ふっと、口から自然と出た言葉。



「…どうしたら」

「え」


こっちを向いたタエの髪の毛に手を伸ばす。
それから、そっと頬に手を添えた。



「…お前は」

< 105 / 219 >

この作品をシェア

pagetop