「私は貴方のモノ」【完結】
「俺が行っても、タエは寂しくないわけ?」
「………」
少しだけ動きを止めたタエは何も答える事なく、シャーベットを掬うとまた口に運ぶ。
……無反応ってわけ?
別に俺がいなくなっても平気って事か。
いや、俺がいなければ無理矢理抱かれる事もないし。
そっちの方が幸せなのかもな。
他に好きな男もいるようだし。
こっちを見ない様にしてるタエ。
そんなタエを見ながら。
ふっと、口から自然と出た言葉。
「…どうしたら」
「え」
こっちを向いたタエの髪の毛に手を伸ばす。
それから、そっと頬に手を添えた。
「…お前は」