「私は貴方のモノ」【完結】
俺に何も言わずにここから出るって事は。
後ろめたい事でもあるのか。
タエはわかっていない。
タエは俺のモノであって、それで自由なんてないって事。
好き?
笑わせるな。
拘束して、俺のモノだって誇示すればいいじゃないか。
タエはペットだ。
ペットを好きだと、可愛がって何が悪い。
そうだ、俺の気持ちはきっとそうなんだ。
怒りと絶望で頭がどうにかなりそうだった。
俺は車の鍵を持つと、部屋を飛び出して大学へと向かう。
今日の講義はどこだ。
記憶にない。だけど、片っ端から探してやる。
いつも以上に強くアクセルを踏む。
逸る気持ちが速度を上げさせた。