「私は貴方のモノ」【完結】
「逃げようとしても無駄。
大学に行かないなら、また始めるよ?」
ニッコリと微笑んでそう言うと、タエは観念した様子だった。
「…行きます」
「うん、よろしい」
力ずくだろうと、何だろうと、俺の言われるがままにするしかないタエを見てるのは気持ち良かった。
俺は立ち上がると、クローゼットから適当なパーカーを取り出す。
タエに手渡すと、そのパーカーを見つめて固まっている。
「その洋服じゃ行けないでしょ。
買いに行くから」
「…家に取りに行きたいです」
「んー?無理。
だって、もう家には帰らせるつもりないし」
「携帯だって、そこにあるし。
大学の参考書も、全部家に…」
「帰りたい?」
「…はい」
俯きながらぼそぼそと言うタエに俺はわざと、明るい声を出して話す。
「ふふ、じゃあね。
俺にキスして」
それにタエが顔を上げると、かあっと頬を紅潮させる。