「私は貴方のモノ」【完結】
seriously
それから、家に帰宅したのは結局数時間が経った後だった。
闇が深くなった外。
自宅の鍵を開けると、中へと足を入れる。
部屋の中は真っ暗だった。
タエはねてるのだろうか。
リビングに向かった時、ソファで眠るタエを見付けた。
起こさない様にそこへ近寄る。
カーテンの隙間から漏れる微かな月明りで照らされたタエの顔。
泣き腫らした痕。
ぎゅうっと、俺のパーカーを握り締めて眠っていた。
その姿に愛しさが込み上げる
今すぐ、抱き締めたいのに。
タエの頬を触ろうとした手を、寸前で止めた。
“……まあ、遊びならいいけど。
本気なら手放すべきだとは思うけどな。買ったのなら尚更”
ぐっと握り拳を作ると、俺はタエに触れる事なく立ち上がった。
それからキッチンに向かって、冷蔵庫を開ける。
飲み物を取り出して飲んだ時、声がした。