「私は貴方のモノ」【完結】

「そ、んなの」

「無理?なら、帰さない」


出来るのかね。
まあ、出来なくても俺には何の問題もないし。


タエはぎゅうっと俺のパーカーを握り締めている。
だけど、やがて覚悟を決めたのか、ゆっくりと俺に近付く。


顔は強張ってるし、動きはガチガチだ。
微かに震える手が俺の足に当たる。


じっと見つめる俺に耐えきれなくなったのか、目を強く瞑るとタエは一度ちゅっと唇に触れるだけのキスをした。

真っ赤な顔。
少し上目遣いで俺を見ていて。


「これで、いいです…っ!!!」


タエが言い終わる前に、俺はベッドへと押し倒していた。
タエは目を真ん丸にして、俺を見上げる。


ああ。
そんな顔も反則。
< 14 / 219 >

この作品をシェア

pagetop