「私は貴方のモノ」【完結】
resolution
助手席に乗り込んだタエの顔を無理矢理自分の方へと向かせた。
目を真ん丸にして俺を見ているタエ。
「……タエ」
自然とそう声が漏れる。
ゆっくりと顔を近付けて、タエの唇を奪った。
何度も何度も何度も。
唇を解放した後タエはあの潤んだ瞳で、俺を見つめた。
ああ、タエだ。
そう思った。
スッとタエの髪の毛に指を差し込む。
「……お前は、俺のモノだろ?」
俺をご主人様だからって思っててもいい。
「何で他の男と笑い合ってるんだよ?」
「……」
「好きにしていいって言ったが、男と会っていいだなんて言ってない」
「……」
あいつを好きでいてもいい。
だけど、俺から離れるのは許さない。
「…も、どうしたら、いいか、わかんね…」
離れようと試みたのは俺なのに。
やってる事が矛盾してる。
それでも、俺がタエに似合うと思ったワンピースで他の男に笑顔なんて向けて欲しくなかった。