「私は貴方のモノ」【完結】
再度、顔を上げたタエが放った言葉。
それが予想外で、俺は目を見開いた。
「私は、ここに…いていいの?」
ここに、いていいかって?
何でそんな確認するんだ?
ここにいなきゃいけないのか、そう問われるならわかるのに。
「当たり前だ。
お前は、俺のモノ。…そうだろ?」
そうやって、ハッキリ肯定してやるとタエの眉が下がる。
そして、ぼそっと呟く。
「…アキラ」
タエ自ら俺の名前を呼ぶ事は少ない。
だけど、それ以上に驚いたのは。
「…お願い。抱いて」
タエがそう言った事だった。
タエが俺の身体を求めたのは初めてだった。
いつも俺が無理矢理タエの気持ちなんて考えずに欲望のままに抱いていたから。