「私は貴方のモノ」【完結】
confinement
コンビニで色々ご飯を買ってから家に向かうと、俺はガチャリと音を立てて玄関を開ける。
それから靴を脱いでいるとトタトタと音が聞こえて顔を上げた。
そして、俺は目を見張る。
「おかえりなさい」
そう、言ってタエが立ってたからだ。
どうやら、タエは俺が帰って来たから玄関まで来たらしい。
……ご主人様のお迎えに来るなんて。
本当に、お前はペットかよ。
「…良い子にしてたか?」
「うん」
「そうか」
タエが目を細めて嬉しそうにするから、俺の頬も自然と緩んだ。
するりと頬を撫でると、ぎゅっと抱き締める。
タエの温もり。匂い。
それだけでタエを抱きたいって思う。
ドクドクと俺の心臓の鼓動が速くなった気がした。
俺の腕の中で大人しくしているタエの耳元でぼそっと囁く。
「あー…今すぐ抱きてえ」
そう言った瞬間、あからさまにタエの体が強張った。
なんてわかりやすいんだ、タエは。