「私は貴方のモノ」【完結】

「無理。先にお前食べる」

「え?あっ」


タエをソファに押し倒すと、俺は上に跨り強引に唇を奪っていく。
少しずつ漏れる嬌声。


その声が聞きたくて、俺はタエの敏感な場所を弄った。


顔を真っ赤にしながら、俺の体に溺れるタエを愛しいと思った。



行為を終えてからシャーベットを見たけど、見事に溶けている。
当たり前か。仕方なくそれを冷凍庫へと入れて、俺はソファに座ると弁当の蓋を開けた。


タエも同じ様にお弁当を食べようとしている。
その横顔を見つめていると、ふっと陽子の言葉を思い出す。



“多恵は私が彬さんを好きだって勘違いしてるのかもしんない”



「なあ、タエ」

「…うん?」


言いかけて、俺は思い留まった。
どうして邪魔だと思ったんだ?って。


それを聞いてどうするんだろうか。


陽子は俺を好きなんかじゃない。
だから、連絡取れなんて言うのか?


閉じ込めようとしてるのに、それは不要な事じゃないか。

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