「私は貴方のモノ」【完結】
その日から俺はタエを中に閉じ込めた。
俺も大学には必要最低限しか出ない。
なるべくタエの側にいた。
最初は俺に抱かれる事に体を強張らせていたタエだったけど、三日とすればそれもなくなっていた。
飽きるまで抱いて、目覚めたらタエにキスをする。
だけど、タエが笑う事はなかった。
一緒にいた男に見せた、あの笑顔を俺に見せる事はなかった。
それが、きっと俺と“好きな男との差”なんだ。
それを認める事が許せなくて、またタエを抱く。
その繰り返し。
「……ねえ、アキラ」
「何?」
「料理とか、してもいいかな」
「……料理?」
情事を終えた後のベッドの上。
タエが俺の腕の中でそう言った。