「私は貴方のモノ」【完結】
「毎日お弁当ってのも、栄養に偏るでしょ?
それに、時間たっぷりあるから料理したらそれも潰せるしね」
「…ああ、何が必要だ?」
「えっと、食材はもちろんだけど、お鍋とか炊飯器とか…」
「炊飯器か」
「うん。レンジと冷蔵庫ぐらいしかないし」
「買っておく。食材は生協とかのを利用して宅配BOXに届けさせる。
それを俺が取りに行く。これでいいか?」
「うん」
タエは少しだけ嬉しそうに目を細めた。
そのタエの頭を撫でる。
タエの料理を食えるなら、悪くない。
俺もそう思った。
それから、タエは積極的に料理を作る様になった。
キッチンに立つタエはどこか嬉しそうだ。
それからすぐだ。
―――――家に陽子が来たのは。
「彬さん」
どうやら陽子は待ち伏せをしていたらしい。
俺が大学から帰宅すると、エントランスに立っていた。
陽子を無視して中に入ろうとするが、それを止めるのは陽子だ。