「私は貴方のモノ」【完結】
guilty
その翌日から部屋を探しに出かけて、部屋や業者までも決めて来た。
慌ただしく引っ越しが過ぎて行った。
その間、大学には行かなかった。
行く暇がなかったともいえるが。
ダンボールが山積みの、部屋でちょこんと座っていたタエを思い出す。
あの姿が本当にペットみたく思えて来る。
その時だ。
俺の目に映ったのは、ペットショップだった。
……。
その中に足を踏み入れる。
それから手に取るのは首輪。
たくさんキスマークをつけて、俺のモノだって示しているけど。
どうしたって不安は消えなかった。
いつか、タエがいなくなってしまうんじゃないかって思ったら。
それがタエの体だけを閉じ込めてる所為だってのは痛いほどにわかっている。
「首輪をお探しですか?」
そこに愛想良く店員が俺に話しかけて来る。
「……なるべく大きめの、」
「大型犬ですか?そうですね、それですと…」
大型犬?
……タエは人間だ。
くっと渇いた笑みが漏れる。