「私は貴方のモノ」【完結】

「……俺は話す事ねえから」

「ちょっと!彬さん」
「待てよ!」



そんな二人を全て無視して、車に乗り込むと発進させた。
陽子だけじゃなくて、あの男まで来ると思わなかった。



その日、帰宅した俺はすぐにタエを求めた。


驚いたタエだったけど、すぐに俺を受け入れる。
それに、酷く安心したんだ。



タエを抱いたまま、どうやら眠ってしまっていたらしい。
遠くで携帯の着信音が聞こえる。


……誰だよ。


目を薄らと開けた俺は、こっちを見てるタエに口角を上げた。
一度、タエの頬を撫でると俺はベッドから這い出る。



それから、リビングに向かうと机の上に乗っている携帯を見た。


【着信:タケル】



なんだよ、タケルか。

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