「私は貴方のモノ」【完結】


「……はい」

『彬!?お前、今どこ?ってか、陽子が彬の事探してるんだけど』

「…ああ。そう」

『ああ、そうって!』

「…で?話ってそれだけ?」

『いや、そうだけど。陽子からそっちに連絡行ってない?』

「…知らない」

『知らないって!ちょっと!陽子に電話してよ!俺、さっきから困ってるんだから』

「…あーわかったよ、明日でいいだろ?」

『いいよ。言っておく』



ぴっと通話ボタンを押した俺は、携帯の画面を見つめる。
それから、はあっと溜め息をついた。


めんどくせぇ。
そろそろ警察に行かれるかもな。


まあ、もしもそうなったら俺はタエを殺してでも俺のモノにしてやるけど。


タエが俺の側からいなくなる事は考えられない。
俺がいない間にあの男に抱かれるかもしれないとか、そんな事を考えただけで気が狂いそうになる。



……。


タエにここを出たいのなら、俺を殺してから行けと言ったけど。


殺して欲しかったのかもしれないな。
タエになら、殺されてもいい。



明日、陽子に直接話すか。

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