「私は貴方のモノ」【完結】
「ぐっ」
くぐもった声が聞こえる。
だけど、こいつがどうなってもいい。
「お前、何してるんだよ!!」
俺の腕を掴んで離そうとする男。
「……俺からタエを奪おうとするのなら、許さない」
低い声でそう告げると、陽子の体を地面へと投げた。
ドサッと倒れ込んだ陽子は、ゴホゴホと咳き込んだ。
すぐにその男が駆け寄り、心配する声を出していたけどどうでもいい。
「また来るからな」
「……」
そう言った男を、一瞥すると俺はまた部屋の中へと入って行く。
次、来たらどうしようか。
寝室へと向かうと、心配そうにこっちを見ているタエと視線がかち合った。