「私は貴方のモノ」【完結】
その時だ。
カチャリと部屋から音がして、「タエ!開けるな!!」そう叫んだと同時に扉が開いた。
中からタエが姿を現すと、俺の行動を見て息を呑む。
すぐに俺に駆け寄って腕を離そうとした。
「や、やめて!!」
「……こいつを庇うのかよ?」
「私はアキラの側から離れないから!!
だから、やめて!!!」
それを聞いて、ぐっと俺の手に力が入った。
家にずっと籠ってるタエの力じゃ、俺に敵わない。
「……た、え」
苦しそうに、そう声を出すそいつを見るとタエは涙をぽろぽろと流す。
「お願いっ、お願い、アキラっ」
その涙を見て、ふっと俺の力が緩む。
タエはすぐにその場にしゃがみ込んだ男の体を支えると、何度も声をかけていた。