「私は貴方のモノ」【完結】

タエの頬にそっと手を伸ばす。



「なのに。一切、文句言わなくて。
俺がした事を全て受け入れた。
……縛り付けてるんだって…俺がタエの自由を奪ってるって…」



全て、わかってたんだよ。
わかっててタエを縛り付けたんだよ。



「アキラ…は」


タエは掠れた声で、呟く様に言った。



「…私の、事が…好き、なの？」



好き？
今更。



「…好きじゃない」



伝わってなかったのかよ。

俺がどれだけお前を想っていたのか。


いや、伝わらない様に俺が誤魔化してたのか。



「……愛してる」


その、顔も、体も。
声も、髪の毛の先まで。全て。



「……お前だけを、愛してる」




それにタエはこれでもかってほどに、目を見開く。
そしてその瞳からぼろぼろと涙を溢れさせた。


やっぱり俺は泣かせるんだな。
俺の気持ちを告げても。