「私は貴方のモノ」【完結】
I love only you.
「……えっと、ちょっといいかな」
後ろから陽子のそんな声がした。
だけど、俺はそれを無視する。
「……あの、彬さん?一旦離れてくれる?」
無理矢理俺とタエを引き離すと、陽子は溜め息をつく。
「なんか、よくわかんないけど…うまくいったのかな。
てか、話ししたいから家に入れてくれない?」
「却下」
そう、即答する。
すると、タエが俺の腕をくいっと引っ張る。
「私も陽子と葵兄と話したい」
「却下だ」
「陽子と葵兄と三人で会うよりかはいいでしょ?」
「……」
俺のいないところで会うつもりなのかよ?
許可するわけないだろ。
あー、くそ。今すぐタエを抱きたかったのに。
仕方ねえ。
「わかった」
渋々頷くと、俺は中へと二人を入れた。
俺はソファにどさっと座るとタエを隣に座らせる。
それから、二人は目の前に静かに腰を下ろす。
沈黙を破って、最初に口を開いたのは陽子だ。