「私は貴方のモノ」【完結】
俺の会社の下請けだったし、俺には頭が上がらないだろうな。
名刺を出して話したら、ずっとペコペコしてたっけ。
そこで契約書を出しながら、お宅の娘を貰いたいと話を切り出した。
二人とも、その言葉に固まっていた。
当たり前だろうな。
娘を差し出せ、だなんて言われると思ってないだろうし。
その時、最後まで拒絶していたのは母親だった。
それも、俺の出した条件に結局折れるんだけど。
借金がなくなるだけでなく、昇給まで約束させた。
娘を差し出すだけで、それを手に入れられるんだ。
何も娘が死ぬわけじゃない。
いつか会えるかもしれない。
自由に会わすつもりなんかなかったし、寧ろ一生会わせないつもりだったけど。
一応、会いたいとタエが言えば会わせるとは告げた。
タエが言えば、な。