「私は貴方のモノ」【完結】
「…アキラ、わかった?ア・キ・ラ」
分かりやすく、一文字ずつハッキリ教えてやると、おずおずとタエは呟く。
「……アキラ」
やれば出来るじゃん。
アキラ。いいね、それ。
「よし。イイコだ」
まるでペットをあやす様に、俺はタエの頭を撫でた。
今のタエの態度に満足したからだ。
ペットはこうやって、ご主人様のご機嫌取ってたらいいんだよ。
反抗するとか、許されないからな。
すぐに運ばれて来たオレンジシャーベット。
タエはゆっくりスプーンを手にすると、それを一口掬って頬張る。
あっという間に食べ終えたタエ。
スプーンを置くのを確認すると、すぐに伝票を持ち立ち上がった。
あれで満足なのかは知らねえけど。
とりあえずは満足なんだろうな。
また食わすけど。
素直に食ってくれたらいいが。
そんな事を考えながら会計を済ます。
自棄に甲高い女の店員の声が鼻についた。