「私は貴方のモノ」【完結】
次は携帯だな。
タエに昔の携帯は必要ない。
俺のアドレスと、番号があればいらないだろ。
他の男の連絡先があるってだけでムカつく。
好きな男とかいただろうけど。
もう連絡なんて取らせねえ。
タエは俺のモノ、なのだから。
携帯ショップの駐車場に車を滑り込ませると、俺は無言でショップに足を踏み入れる。
その後ろを付いて来るタエに、「何がいい」と尋ねた。
タエは困った顔でディスプレイされている携帯に目を向ける。
その時、俺の携帯が震えた。
誰だよ。
……梓か。
「はい」
『あ、アキラ?』
「ああ」
『もう、どこ行ったの?』
「……携帯ショップ」
『え?何でそんなとこにいるの?』
「何でもいいだろ」
『ふうん。それより聞いてよ!タケルったら私よりアミの方がいいんだって!』
知らねえよ。
そう思いつつ、俺は適当に相槌を打つ。