「私は貴方のモノ」【完結】
ハッとしてこっちを向くと、慌てて携帯を元の位置に戻しながら弁解する様に言うけど。
もう、決めた。
「俺と同じじゃん。可愛いヤツ」
ニヤっと笑うと、俺は近くで待ち構えていた店員に話しかけた。
「これ。新規」
「はい、新規契約ですね。ではこちらへどうぞ」
すぐに案内され、俺は椅子に座った。が、タエは一向にこっちに来ようとしない。
は?何で一々言わないとお前は来ないわけ?
イラつくんだけど。
契約してる間、ずっと立ってるつもりかよ。
考えたらわかるだろうが。
「何してんの?隣座れ」
そこに座れとと言わんばかりに椅子を引くと、おずおずとタエはそこに腰かけた。
少しだけ俺から距離を取るタエにも一々ムカつく。
だから、俺はぐいっとタエの腰を引くと体に密着させる。
驚いた顔を見せるタエに、ゆっくり口角を上げると眉を顰めて俺から視線を逸らした。
本当に、慣れてねえのな。
まあ、そんな反応も新鮮でこっちは楽しいけど。
段々と頬を染めるタエに俺は喉を鳴らして笑った。