「私は貴方のモノ」【完結】
「……そうだ」
わかってるじゃん。
お前は俺のペットなんだから。
泣きそうな、その顔。
一度ちゅっと唇を重ね合わせる。
ぎゅ、と目を瞑るタエの頬を掴むと、再度唇を重ねた。
頬を掴まれた驚きで目を開けたタエだったが、二度目のキスをする時には目を閉じていた。
自然と。
お前は。
俺の元から逃げ出したいのか?
「お前は俺のモノだ。俺の目の届くとこにしか置いておかない」
逃がすつもりなんか、更々ない。
それがこれから変わる事もない。
「もし、逃げたいなら」
タエがじっと俺の瞳を見つめる。
タエの黒目が俺を捕らえていく。
「俺を殺してから行け」
そうでもしないと、タエはきっと俺の元から逃げることなんて出来ない。
そこまでして逃げたいと思うなら。
それなら、仕方ない。
その時は殺されてやるよ。
俺の言葉に息を呑むタエ。